送風機のインバータ運転に伴う注意事項技術資料378技術資料7.インバータ運転に伴う注意事項インバータでご使用になる場合は、インバータで運転することを必ずご提示の上、ご用命ください。標準仕様のモータのままでは、インバータで運転することができない場合があります。①400V級の電動機で絶縁強化がされてない。②電動機の温度上昇に余裕がない、他。③400V級電動機の場合は、インバータメーカにご相談ください。インバータ運転が可能な400V電動機でも、サージ電圧が1250Vを超える場合は、交流リアクトルやサージ抑制フィルタ等を別途設置し、サージ電圧を1250V以下に低減してください。④インバータは、正弦波PWM方式で定格出力電流は電動機の定格電流の110%以上及び、過負荷電流定格150%-1min以上の機種をご使用ください。aインバータ設定時の注意事項市販のインバータは、納入された状態のままでは、ファンに適した設定にはなっておりません。下記をご参考にし運転前に必ずインバータの設定を行ってください。また、インバータと電動機のマッチングや据付状態の関係で、異常振動やファン破損などの異常が発生する場合があります。これらはインバータの設定を変えることによって解消される場合があります。下記の設定値をご参考ください。<インバータ設定値(ご参考値)>①基底周波数:仕様の周波数に設定(50Hz仕様のファン→「50Hz」、60Hz仕様のファン→「60Hz」)②最高周波数:仕様の周波数に設定(50Hz仕様のファン→「50Hz」、60Hz仕様のファン→「60Hz」)③最高出力電圧:電動機の定格電圧に設定④上限周波数:仕様の周波数に設定(50Hz仕様のファン→「50Hz」、60Hz仕様のファン→「60Hz」)仕様の周波数を超えて運転した場合、モータが過負荷状態になるばかりでなくファン・モータが破損する場合があります。⑤下限周波数:50Hz仕様のファン→「25Hz」、60Hz仕様のファン→「30Hz」に設定上値より低い回転数で運転すると、モータが回らない・発熱する、インバータ出力が不安定になるなどの不具合が発生する場合があります。⑥V/F特性:「2乗低減トルク」に設定(トルクブースト)定トルク特性に設定すると、電動機の運転が不安定になる場合があります。⑦加速・減速時間:「30~40秒」に設定加速時間・減速時間を短くすると、起動時および停止時にインバータがトリップする場合があります。また、急加速・急減速はファン・電動機を早く傷めますので避けてください。段回運転で第2加速・第2減速時間など個別に設定できる場合も同様に設定してください。⑧キャリヤ周波数:通常のインバータ工場出荷時設定は、音の問題から高めに設定していると思われます。現在の設定で異常振動や異常音が発生した場合は、キャリヤ周波数の設定を変更すると解消される場合があります。s試運転時の注意事項・インバータはファン・電動機の回転数を可変するため、試運転時には必ずご使用になる全周波数で異常がないことを確認してください。(無段階で運転する場合は、例えば1Hzごとにインバータの運転周波数を変えて全周波数域で異常の有無を確認してください。)異常状態のまま運転しますと、ファンの軸受・羽根車・ベルト・電動機などが破損する場合があります。・特に次の点にご注意ください。①電動機・ファン軸受・ケーシング・ベルトガードなどが異常に振動してないか。②ベルトが大きくばたついてないか。③異常音が発生してないか。④回転数が不安定になってないか。・ある周波数で異常が確認された場合は、キャリヤ周波数やトルクブーストなどの設定を変えると解消される場合があります。但し、設定を変えると別の周波数で異常が発生する場合も考えられますので、設定を変更した場合は、再度ご使用になる全周波数範囲で運転状態の確認を行ってください。・異常振動が発生している場合、ファン・電動機・ファン+基礎全体の振動モードの共振も考えられます。この場合は、インバータ側でジャンプ周波数の設定を行い、共振運転を回避してください。・高調波やノイズが、他の周辺機器に悪影響をおよぼす恐れがある場合は、別途対策してください。d防爆形(安全増防爆形・耐圧防爆形)電動機の、インバータ運転はできません。電動機とインバータの組み合わせで、社団法人産業安全技術協会の「防爆構造電気機械器具型式検定」に合格している必要があります。キャリヤ周波数低い → 高いモータからの音(キーンという音)大きい → 小さいインバータから発生するノイズ小さい → 大きいサージ電圧の加わる回数少ない → 多い
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